大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)1734 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人田中秀恵の上告趣意第一点は訴訟法上の問題で刑訴四〇五条の事由にあた

らないのみならず、刑訴三九二条二項は、同条所定の事由に関し、控訴審に職権調

査の義務を課したものでないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二五

年(あ)第一一九二号同二六年五月一八日第二小法廷判決)。所論は上告適法の理

由とならない。

同第二点について、

原判決が「被告人に窃盗の前科二犯あること、本件犯罪の手口、賍物の数量、そ

の他各般の事情を酌めば原審の科刑が重過ぎるとはいえない」と判示したことは所

論のとおりである。しかし、事実裁判所が犯人の性格、年令、境遇、犯罪の情状そ

の他諸般の事情を考慮して、刑を言渡した場合、その刑が他の類似の犯人に対する

刑と異つたからといつて憲法一四条に違反するものでないことは当裁判所の判例(

昭和二三年(れ)第四三五号同年一〇月六日大法廷判決)とするところである。そ

して被告人に前科があるとの事実は一つの事情であつてこれを量刑に参酌したから

といつて、人種、信条、社会的身分又は門地により差別するものではないから、憲

法第一四条に違反するものではないことも当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第一

四〇四号同二五年三月一五日大法廷判決)の趣旨に徴し明らかである。論旨は理由

がない。

よつて刑訴四〇八条一八一条により主文のとおり判決する。

この裁判は裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年一二月一九日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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